執筆者: 木ノ下 千栄(きのした ちえ)

京の雛祭り作法、あれこれ   

①雛人形の配置
関東では自分から向かって左に男雛、右に女雛を置くとされますが、京都は逆です。向かって右が男雛、左が女雛になります。これは御所の伝統にならったもので、左大臣・右大臣で左大臣が偉いように、左が位の高い位置とされているためです。というのは、御所の紫宸殿は南向きに建てられており、天皇から見て日が昇る方角(東)は左、ということで、位が高いのだそうです。京都の地名「右京区」「左京区」もこれにならったもので、実際地図でみると左右が逆になっています。

②桃の花と柳を飾るわけ
雛祭りは別名「桃の節句」といい、桃の花を飾ったり、桃花酒を飲む習慣があります。これは桃の木には邪気払いの効き目があるとされているからです。同じように柳も飾りますが、これも柳が生命力が強いことから、健康を祈って縁起のよい桃と柳を飾るのだそうです。

③お雛様とお嫁入り
私の家では昔から母が「お雛さんは、1年に1回は必ず出さなあかん。お顔をお日さんに当てんと、かわいそうやさかい。」といって毎年せっせと雛壇を飾っていました。また、3日が過ぎるとすぐに片づけてしまいます。ある時私が「せっかく出したんやから、もうちょっと飾っておけばいいのに」と言ったところ、「お雛さんは出しっぱなしにしとくと、お嫁に行けへんようになる」と言っていました。一般に雛壇は、3月2日を「宵の節句」、4日を「送り節句」といってまだ出しておきますが、5日を過ぎるとすぐ片づけなければ、その家の女の子がお嫁にいくのが遅くなるという言い伝えがあります。

雛祭りの歴史と由来

ひな祭りの歴史と由来については、「歳時記の用語(ひな祭り編)」で詳しくご紹介しています。
ひな祭りの和菓子イメージ

雛祭りの和菓子(京都のひな菓子)

京都ではひな祭りに「ひちきり」などのひな菓子を用意します。雛祭りの和菓子はこちらで詳しくご紹介しています。


リンク
京都国立博物館「おひなさまのお話」
京人形が出来上がるまで(京都大橋弌峰さん)
雛人形の選び方・しまい方など(お節句人形だより・田中人形さんから)

[いちひめさんのひいな祭りのお話]

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