卯月(4月)

入学・入園

 四月初旬になると、小学校から大学までの新学期が始まりますが、近年は年毎に家庭の祝事も盛んになってきたようです。この入学を祝って親族、知己からいろいろの贈り物がありますが、返礼にはやはり菓子折が配られます。したがって、四月に入ると、赤飯紅白饅頭、入学祝いにちなんだ引き菓子などの受注も多くなってきます。掛け紙はピンク、白のぼかし地に「内祝(赤)」と印刷したものを用います。

花祭

 仏教の開祖である釈尊の誕生を祝う法会です。すべての仏教宗派共通で、毎年4月8日に行われます。甘茶を誕生仏に潅(そそ)ぐということから潅仏会(かんぶつえ)と呼ばれています。花祭りの起源は今から約2500年前、現在のネパール国内にあったルンビニーという花園で、さまざまな花が咲き乱れる中に生まれられたからだといわれています。しかもその誕生を喜んだ龍が、天から甘露の飴を降りそそいだとか、生まれたばかりのお釈迦様は、司法に七歩ずつ歩いた後に、右手で天を左手で地を指しながら「天上天下 唯我独尊」と高らかに宣言したなどという伝説も残っています。

 花御堂の中には天地を指す釈尊誕生仏が安置され、参詣者は小さな竹柄杓(ひしゃく)で甘茶をかけます。甘茶は家に持ち帰って家庭で飲みあったり、あるいは甘茶で墨を磨り、呪文を書いた紙を柱・壁・天井などに貼れば、害虫よけに効き目があるとも、雪よけになるとも信じられました。

 また、民間の潅仏会は山寺に詣って、先祖供養のために水向供養をしたり、花供養をしたりすることでした。今日のように潅仏会が一般に浸透するようになったのは、夏の始まりに当たって、民間にあった卯月八日の行事(山遊び・磯遊び・墓参りなど)と先祖祭祀の風習と習合したためだと考えられています。

 
十三詣(じゅうさんまいり)

 京都では陰暦3月13日、13歳になった子供たちが嵐山の法輪寺虚空蔵菩薩に詣でる風習があります。虚空蔵は福徳・智恵をさずけてくれるということから、十三詣りを「智恵もらい」とも言います。参詣の帰り道で後を振り返るとせっかく授かった智恵を返さねばならないという言い伝えがあり、渡月橋を渡り終えるまでは後を振り向いてはいけないとされています。13日は虚空蔵の縁日にあたり、13歳はこれにちなんだものですが、13歳という年齢上、児童は両親に付き添われて参詣します。

 13歳という年齢は古来男女の元服の時期と合致し、人生の転機の一つと目されていました。元服にあたっては、それぞれの地方の高山や有名な寺院、自社に登拝する風習が多いといえます。

 昔は境内に13種の菓子が売られ、それを菩薩に供えたあと、家に持ち帰り子供に食べさせたものらしいですが、その内容については詳しくは分かっていません。現在では、小学校卒業、中学入学の祝いを兼ねた行事として定着しました。親戚、縁者に紅白饅頭などで内祝いをします。

 

 

入学・入園におすすめの御菓子 春の上生菓子(\1900)
「胡蝶の里」(\1400)
「花唐梅」(\1400)
十三詣の内祝いにおすすめの御菓子 「桜花せんべい」(\1000・2000)
「新茶せんべい」(\1000・2000)
「花ごろも」(\700・1000・1400)

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